相続争いなど自分には関係が無い事だ、みんなが平等に分ければそんな事になる訳が無い、そんなのは大金持ちの話だ、とずっと思っていました。
ところがそんな僕の家族で相続争いが起きてしまいました。みんなが平等に分ける、というのがなかなか難しいのと、やはり多く取りたがる人間がいるという事です。
僕の家族は少し複雑で、僕の母親は後妻で前妻の4人の姉妹と僕の母親と僕と僕の妹の相続となりました。僕の父は大金持ちでは無かったけれども小金持ちでした。
金融資産と家と資産管理会社の相続となりました。資産が全部金融資産なら、それを均等に分ければ良いのでしょうが、家と資産管理会社が有るので、それの評価をしなければなりません。
世田谷の家は売る事になり、資産管理会社は僕が引き継ぐ事になりました。そこで資産管理会社の評価の問題になります。引き継ぐ僕は安く評価をしたいし、異母姉妹たちは高く評価をしたいのです。
異母姉妹たちとの話し合いの席では、彼女たちと争いたくなかったので、彼女たちの要求を呑みました。するとその時の彼女たちの態度が、明らかに「してやったり」と言わんばかりなのです。
その時の僕は、ウダツの上がらない勤め人でした。当然自分に自信など無く、とにかく舐められたく無い、という気持ちでいっぱいでした。
ですので「コイツら俺の事を舐めやがって、馬鹿息子だと思っているに違いない」と感じました。もし僕が、その時点で成功していたならば、「そんなに金が欲しいのか?ならばくれてやるよ」などと一歩引いた対応が出来たのだと思います。
もし僕がその時点で成功していたならば、彼女たちに舐められたとしても成功している僕からしたらそんな事は何でも無い些細なことなのです。
ところが成功していなかった僕は考え方も小人で、「ここで舐められたら一生コイツらに舐められっぱなしだ、そんな事は絶対に許さないぞ」などと思っていました。
成功している人が負けてあげるのと、成功していない人が負けるのは違うのだ、という事だと思います。
何とか一矢報いようと、家の立ち退きの件で立ち退き料の提案をしたところ、こちらの要求には一切応じない、との事で裁判沙汰になってしまいました。
この経験から今の僕が思う事は、少しでも多く取りたいなら取りたい方が頭を下げるべきだという事です。
亡くなった父の為にも相続争いなどしたく無かったのですが、「こちらの要求を全部呑め、文句が有るなら裁判だ!」とやられてしまっては、収まるものも収まりません。
金額の問題ではありませんでしたので、もしお願いをされてそれに応じる、という形ならば、こちらも負けた訳では無いので、僕のちっぽけなプライドも保たれ、良い形で交渉成立したのかな、と思います。
今となっては父親に申し訳のない事をしたのかな、とは思いますが、当時の僕の器では仕方なかったのかな、とも思います。
相続では多くを取りたい方が頭を下げる。この文章を読まれた皆さまには是非参考にして頂きたいと思います。
