最近流行っているテーマのひとつに、年金は繰上げ受給が得か、繰下げ受給が得か?というテーマがあります。
繰上げ受給は最大60歳まで前倒し、繰下げ受給は最大75歳まで後ろ倒しが可能です。
退職の時期と年金受給開始のそれぞれをどうするか、多くの選択肢、組み合わせがあります。
繰上げ受給をした場合、1ヵ月の繰上げごとに0.4%(1962年4月2日より前に生まれた人は0.5%)年金が減額。最大の5年繰上げると24%(同30%)年金が減ります。
一方で、繰下げ受給の場合、1ヵ月の繰下げごとに0.7%年金が増額。最大の10年繰り下げると84%年金額が増額します。
基本的には65歳からもらう人が多いのですが、65歳より前に繰り上げて年金をもらう繰り上げ受給をしている人の割合は、約9人に1人(11.2%)となっています。65歳より後に繰り下げてもらう「繰り下げ受給」を選択している人の割合は、約50人に1人(1.8%)となっています。
どちらが得であるか?は人それぞれなのですが、繰上げ受給を支持する人たちの意見の中に、繰上げ受給をして、そのお金を運用すれば、繰下げ受給よりも有利だ、との考え方があります。
この考えは、資産運用が絶対に成功する事が前提としてあります。資産運用を手堅くやれば成功の確率は上がりますが、絶対に成功する資産運用などありません。
むしろ資産運用が上手くいかなかった時の保険が年金です。自分は早死にする、と思ったら思いの外、長生きしてしまった、とか自分の思惑が外れてしまった時の保険なのです。
どちらを選ぶのかは最後は自分で決めなければならないのですが、繰上げ受給をして資産運用をして成功する事を前提として考えるのはやめた方が良いと思います。