コラム

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2025.04.30   コラム

呂不韋とイーロンマスク

今から2000年以上前の中国の戦国時代、呂不韋という大商人がいました。商人の子として生まれ、若い頃より各国を渡り歩き、商売で富を築きました。

ある日、趙の人質となっていて、みすぼらしい身なりをした秦の公子の異人(後に子楚と改称します。秦の荘襄王のこと。始皇帝の父)をたまたま目にして、「これ奇貨なり。居くべし (これは、思いがけない品だ。仕入れておくべきだ)」と言いました。

呂不韋 は趙に人質になっていた秦の王子子楚 を自分の全財産を賭けて助け、秦国の王位につけることに尽力し、秦で王に次ぐ権力を持つ相国として権勢を振るいました。

「奇貨居くべし」とは「史記」呂不韋伝の故事から、珍しい品物は買っておけば、あとで大きな利益をあげる材料になる。得がたい好機を逃さず利用しなければならない、という意味です。

この故事は、キングダムを好きな人なら皆さまご存知ですよね。

ところで数年前、イーロンマスク氏がツイッター社を買収しました。 マスク氏は2022年10月27日に約130億ドルの負債を含めて440億ドルで旧ツイッター社を買収しました。

マスク氏はツイッターのヘビーユーザーだったそうですが、だからと言って、何でツイッター社を買収しなければならないのか?電気自動車や宇宙とは全然関係ないじゃないか?道楽にも程がある、まぁ頭の良い人の考えは、我々凡人にはわからないものだな、などと思ったものです。

そして今、トランプ氏が大統領に就任し、マスク氏が重要なポジションに任命されているのを見て、そういう事か!と合点がいきました。

大枚を叩いてツイッター社を買収し、トランプ氏のアカウントを元に戻し、トランプ氏を応援して、もう一度大統領に就任させる。

そこまで計算していたのか?まさか?と思わなくもないですが、計算していなかったのならば何故ツイッター社を買収する必要があったのか?と考えれば、最初からそこまで計算していたと考えるのは考え過ぎでは無いですよね。

結局マスク氏は、呂不韋と同じ事をやったのですね。その後、呂不韋は大いに権勢を振るい、歴史にその名を残したのですが、引き際を誤り残念な最後を遂げました。マスク氏はどこまでやるのか?とても楽しみですね。

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