コラム

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2025.10.14   コラム

玉木雄一郎氏に告ぐ

2025年10月4日に行われた自民党総裁選の結果、高市早苗さんが第29代自民党総裁になりました。自民党員があそこまで高市さんを支持しているのと、最後に麻生太郎さんが、高市さんを支持したのは驚きました。

僕は自民党員では無いですが、自民党員には天晴と言わざるを得ないですね。それと麻生さんです。この状態になれば党員票の多い候補者に投票するのは当たり前の決断だろう、とも思うのですが、自分が麻生さんだったらその決断が出来たのだろうか?とも思うのです。

麻生さんほどの力のある人ならば、自分の好き嫌いで決める事もできた筈です。恐らく麻生さんが小泉進次郎さんを支持すれば、小泉さんが新総裁になったのでしょう。もしかしたら利害関係で高市さんを支持しただけなのかも知れません。

そうであったとしても、麻生さんのセンスには脱帽ですね。さすがに何十年も自民党のドンに君臨しているだけの事はありますね。この局面で高市早苗を自民党総裁に選ぶとは、天晴としか言いようがありません。

僕は今の日本を良くする為には政権交代をするしか無いと思ってます。たらればの話ですが、今でも全野党が纏まれば政権交代は出来ます。しかしその程度の政権交代では駄目なのです。

大臣が変わるだけの政権交代なら民主党政権の時がありました。ほぼ初めての政権交代だったので、今になってあの政権を責めるつもりは無いのですが、あの時は既得権益を壊さずに、今まで自民党が乗っていた神輿に自分達が乗ろうとしていた様に思います。

その結果、既得権益の打破や、情報公開なども出来ませんでした。厳しい言い方をすれば何にも出来ませんでした。

その様な政権交代では意味が無いのです。必要なのは倒幕的な政権交代なのです。結局、日本は政権交代をしたのに情報公開は出来ない、という国になってしまいました。

しかしながら倒幕的な政権交代など、言うは易し行なうは難しなのです。よっぽどの民意の後押しが無ければ出来るものではありません。

次の選挙で野党が勝って、その次の選挙でまた野党が勝って、既得権益を叩き壊さなければ多くの日本人の幸福は無い、との強い覚悟を持った政治家がトップに立たなければ成し得ない。

5年後か、10年後か、もしかしたら日本にはそんな日は訪れないのか?そんな絶望的な感情に支配されていた時に、今回の事件は起こったのです。

正にこれは事件と言っても良いくらい、あり得ない出来事だと思います。高市さんが自民党総裁になる事自体、政権交代の様なものです。

当然総理大臣にはまだなってないので組閣は出来ませんが、党人事では早速、宮沢洋一税制調査会長が退任する事になりました。これはとても大きなニュースなのですが、マスメディアではそれほど大きく取り上げられていませんね。

公明党が連立を離脱する事になりましたが、別に国民民主と維新の会が連立を組めば良いのです。国民民主も維新の会もやりたい事をやりたいだけやれば良いのです。恐らく高市さんがやりたい事も国民民主がやりたい事も維新の会がやりたい事も、大して変わらないでしょう。

そんな事をすれば予算がとんでもない事になる!財源はどうするんだ!などと言う人もいるでしょうが、だから既得権益を叩き壊すのです。

恐らく国民は気付きつつあるのだと思います。先の参議院選挙で参政党が躍進した事も、今回のフルスペック型の自民党総裁選での党員の投票行動も、このままでは駄目だ!ただの政権交代では駄目なんだ!倒幕的な政権交代でなければ駄目なんだ!という事を。

今の時点で国民民主党の玉木代表が、総理大臣になる覚悟がある!などとのたまわっている様ですが、とても残念ですね。

国民が、玉木さんの不倫を許したのは、玉木さんが人気があるからではありません。この失われた30年の苦しみに比べたら、不倫だの浮気だのはどうでも良いことだ!そんな事どうでも良い!もしかしたら上級国民たちに苦しめられている自分たちを救ってくれるかも知れない人をこんな事ごときで失う訳にはいかない!との国民の心の叫びです。

恐らくマスメディアは次の総理大臣を徹底的に叩くでしょう。もし高市さんが総理大臣になったとしても、思ったほどでは無かったとしたら、やっぱり駄目じゃん!となるし、本当に既得権益を叩き壊そうとしたら、あらゆる方面から徹底的にバッシングされるでしょう。また、高市さんにはとても期待をしているのですが、やはり自民党の政治家ゆえに出来ない事もあるでしょう。

玉木さんが活躍するとすれば、その後です。高市さんと組んで、財務大臣として既得権益に立ち向かい、高市さんの矢折れ刀尽きた時、その後継者として総理大臣を目指すならば、その時こそ、誰もが一目置く政治家となっている事でしょう。総理大臣の前に財務大臣の経験を積むべきです。

正に今回の小泉進次郎さんと同じです。彼の父親の小泉純一郎さんは、今は出るな、後10年待て!と言ったそうですが、やはり小泉純一郎さんもセンスが良いですね。

政治家には最初から優秀な人もいるのだと思いますが、ほとんどの政治家はたくさん経験を積んで良い政治家になっていくのだと思います。

最初の頃の小泉進次郎さんは人気は有るけれども政治家としての力量はあまりパッとしたものでは無かったと思います。環境大臣の時のレジ袋有料化などは天下の愚策だと思います。恐らく大臣として何かやらなければ、と功を焦ったのだと思います。

しかしながら石破政権での農水大臣の時の小泉進次郎さんは環境大臣の時と比べれば見違える様でした。恐らく小泉純一郎さんの言う通り、後10年もすれば、たくさん経験を積み酸いも甘いも噛み分ける本当に良い政治家になるのだと思います。

でも今では無い。それは玉木さんも同じだと思います。もちろん総理大臣には、成れる時に成らないと成れない!と言うのは当然あるのですが、だからと言って今総理大臣になっても1年間の使い捨て総理大臣になるだけです。

ただ歴史の教科書に名前が載っているだけの総理大臣になって何の意味があるのでしょうか?

また立憲民主党の人たちも、本当に自分達が政権を取れば、倒幕的な政権交代が出来ると思っているのでしょうか?

野党が政権交代をした時にやらなければいけない事は、日本国の大掃除です。自民党には絶対に出来ない事を政権交代をした野党がやるのです。

自民党には絶対に出来ない事とは公務員改革や特別会計の問題、既得権益の打破、情報公開です。

自民党が与党でいる方が都合の良い人たちが日本中にたくさんいるのです。政治家や役人、学者や民間人、マスメディアにもいっぱいいるのです。その人たちを全員敵に回すのです。

恐らく自民党政権の様に気持ちの良いものでは無いでしょう。役人たちと上手くやって、今度は自分達が自民党の様に長期政権を築くぞ!では駄目なんです。前の民主党政権の時が正にそれでした。役人の担ぐ神輿に乗っかるのならば自民党の方が良いのです。

1番やらなければならないのは情報公開です。でも役人たちはそれが1番やられたくない。それを本気でやるならば、当然役人たちはサボタージュをする。

そうするとマスメディアが、行政を混乱させた!とバッシングする。もちろん政治家ならば政権を取りたいのは当然の事ですが、決して心地の良いものでは無いでしょう。

結局、自分たちは既得権益を叩き潰すだけで、美味しい所は全部自民党が持って行ってしまう。でも、それでも構わない!自分たちは政権与党として美味しい思いをする為に政権を奪ったのでは無い、日本を良くする為の捨て石なのだ!との覚悟はあるのでしょうか?

野党に損な役割を押し付けるのは少し可哀想な気もしますが、それでなければ今の日本は立ち行かなくなるでしょう。その覚悟が無いのなら、政権交代をしても、結局前の民主党政権の様になるだけでしょう。

その茨の道を高市さんが行くと言うのなら、取り敢えず先に行かせてみてはいかがでしょうか?

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