結婚式費用の平均値を見てみましょう

現在の結婚式・披露宴の費用はいくら位かかるのでしょうか?
大手婚礼情報誌「ゼクシィ」の調査によると結納から結婚式、さらに新生活までに必要な費用は全国平均で469万円となっています。中でも結婚式・披露宴の費用は全国平均で362万円というビックリするようなデータが出ています。またこれらの費用を賄う資金については「自己資金」が154万円、「ご祝儀」が227万円、「親の援助」が172万円という全国平均のデータが出ています。しかし、詳しくデータを見てみると地域差や個人差が非常に大きいので、あまりこれらの数値に惑わされないようにして各平均値をみてみましょう。
目 次
- 結納~新婚旅行までにかかった費用の概況と地域差
- 挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用分布
- 挙式・披露宴・ウェディングパーティの項目別費用
- 挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待人数の分布
- 挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待客の内訳
- 挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用の推移(招待客1人当り)
- 結婚費用を賄う資金について
- まとめ
結納~新婚旅行までにかかった費用と地域差
始めに結婚式費用の概況について見てみましょう。
参照するのは「2020年版ゼクシィ結婚トレンド調査」です。下に「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用(地域別)」の統計表を掲載しています。

(注記)各項目は(実施した際の費用総額÷実施した件数)で計算された平均値です。例えば(結納を実施した人の費用総額÷結納を実施した件数)となり、結納を実施しなかった人の数値は含まれません。そのため、各項目の平均金額の合計は「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 総額」とは一致しません。
かかった費用の全国平均は469万円で、最も多いのは首都圏の493万円です。殆どの地域が400万円台の費用ですが、唯一北海道だけが297万円と突出して少なくなっています。これは北海道では会費制の披露パーティが主流を占めているためで、特に挙式・披露宴・パーティ費用が全国平均と比べて160万円近く少なくなっています。他の地域と比べると大きな違いが有りますので、北海道地区については別枠で考えるほうがよいと思います。
挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用分布
次に「挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用」について見てみましょう。下に「挙式・披露宴・ウェディングパーティ総額(地域別)」の統計表を掲載しています。

挙式・披露宴の費用総額の全国平均は362万円ですが金額帯で見ると400~450万円 の金額帯が最も多く、地域別で見てもこの金額帯が最も多くなっています。 (但し北海道を除く)
もう少し幅を広げて全国平均の10%以上の金額帯を見てみると、300~450万円の金額帯で全体の41 .6%を占めていることがわかります。北海道を除く殆どの地域でこの金額帯(300~450万円)が一般的な「挙式・披露宴の費用総額」といえると思います。
尚、注意していただきたのはこれらの数値はあくまでも平均値である、ということです。その地域での婚礼に関する考え方や風習、平均的な物価の高低、披露宴の招待客数の多少などによって「挙式・披露宴の費用総額」は変ってきます。
挙式・披露宴・ウェディングパーティの項目別費用
次に「挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用」を項目別に見てみましょう。下に「婚約~新婚旅行までにかかった費用の項目別平均(地域別)」の統計表を掲載しています。

このデータの中で大きい費用としてはまず「指輪」が上げられます。婚約指輪、結婚指輪を合わせると平均で約60万円になります。次に新郎と新婦の衣装です。費用は新郎新婦を合わせて約65万円ほどで、特に新婦の衣装は48万円と新郎の衣装費用を圧倒しています。さらに会場での装花が約18万円でこちらも普段の生活ではありえないような高額費用です。さらに「スナップ撮影」「ビデオ撮影」ではプロに委託する費用が合わせて42万円とこちらも非常に高額です。
なお、表には「単価」しか現れていませんが「料理+飲物」の費用があります。実はこの「料理+飲物」の費用が最も多くて、料飲単価(料理と飲物の合計単価)と招待人数を掛けて計算される金額は全国平均で約126万円となっており、全ての項目の中で最も費用がかかる項目になります。
上記の表には記載されていませんが、これらの他に「会場室料」や「印刷物」、「演出」などの費用があります。「会場室料」はホテルなどでは10万円~20万円が一般的ですが、ゲストハウスでは50万円を超えるところも有り、会場によって大きく違いがあります。また、「印刷物」や「演出」は余程のこだわりが無い限りはさほど高額になることはありません。
挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待人数の分布
それでは挙式・披露宴の費用に最も影響する「招待人数」について見てみましょう。
以下は「挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待人数(地域別)」の統計です。

招待人数は全国的に年々減少傾向にあります。それでもこの表を見る限りでは「東北3県(青森・秋田。岩手)」と「九州」は他地域と比べて招待人数はかなり多くなっています。
全国的には平均招待人数が66 .3人で、人数帯では60人~90人の人数帯が全体の38%強を占めていて最も一般的な招待人数となっています。一方30人未満の小規模披露宴を上げた人も全国平均で13 .7%となっていてこちらも増加の傾向です。特に北海道、首都圏、関西、中国地方では少人数披露宴が増えているようです。
挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待客の内訳
最後に「挙式・披露宴・ウェディングパーティの招待客の内訳」に関する統計を見てみましょう。

ご覧のように年が経つほどに招待人数は減少しています。但し、唯一「学生時代の恩師・友人」は少しづつ増加する傾向で、このことから親戚や会社関係などの対人関係よりも個人的な友人関係を重要視する現代の若者を象徴している数値かもしれません。
挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用の推移(招待客1人当り)
最後に「挙式・披露宴・ウェディングパーティの費用の推移(招待客1人当り)」を見てみましょう。

ご覧のように招待客1人当りの費用も増加傾向です。全国平均で見ると、2014年から2020年の6年間で1人当たり費用が1万4000円ほど増加しています。増加率は25 .4%で、「わずか6年でこんなにもふえるのか!」と思わず言いたくなるのは誰も同じでしょう。
地域別に見ると北海道と九州、東北3県が低い数値で、他の地域は6万円台~7万円台となっています。北海道は会費制披露宴が多いこと、九州と東北3県は招待客数が多いため、総費用を招待客数で割った「1人当りの費用」が少ないのです。
参考のために「九州地区」の婚礼の特徴をまとめると次のようになります。
1.挙式・披露宴の費用総額は全国で最も多い(約387万円)
2.招待客の人数も全国で最も多い(約92人)
3.結果的に挙式・披露宴の1人当たり費用は北海道に次いで少ない
※北海道は会費制披露宴・パーティが多いため他地域とは比較することが難しい
結婚費用を賄う資金について
さて今までは「出て行く費用」を見てきましたが今度は「費用を賄うための資金」について見てみましょう。下に「挙式・披露宴・ウェディングパーティにおける自己負担・ご祝儀・親の援助の金額」に関する統計表を掲載してみます。

上の表の「自己負担」は主に貯金やその他の蓄えなどの中から拠出したお金のことで、全国平均で154万円となっています。一般的に必要な費用の支払いには「ご祝儀」や「親からの援助」を先に充当しますので、「自己負担」が少ないほど貯蓄の目減りが少なくて手持ち資金が残ったと考えられます。
自己負担金が少ないのは北海道と九州ですが、北海道の場合はもともと披露宴等にかける費用が少ない(会費制結婚式などが多い)ためです。一方で九州の場合は「ご祝儀」の金額が他地域よりも断然多いという特徴があります。「ご祝儀」が多い背景には「披露宴への招待人数」が他地域より突出して多いという事情があります。招待人数は全国平均では66人ですが九州の場合は平均招待人数は92人と、格段に多くなっています。そのため頂く「ご祝儀」の金額が多くなり、結果として「自己負担」額が少なくなっています。なお、「青森・秋田・岩手」の東北3県も九州と同様の傾向を示しています。
上記の表は挙式・披露宴の費用に対する資金の源泉を示していますが、「親の援助」についてはこの表以外にも新生活の為の家具購入や親族への贈答品などへの資金援助もあると言われていますので、親も大変だと思います。やはり余計な出費を減らして節約するのは親孝行にも繋がるのかもしれませんね。
まとめ
- 結婚に関する総費用の全国平均は469万円、挙式・披露宴に関する費用は全国平均で362万円。
- 招待客数の全国平均は66人、挙式・披露宴の一人当り費用の全国平均は約6万9000円
- 全国平均の「自己負担」は154万円、「ご祝儀」は227万円、「親の援助」は172万円
- 地域によって大きな違いがあるので、全国平均の数値だけで見るのは間違いのもとです。以下に各種費用を地域別にまとめた表を掲示しますので該当する地域をご参照ください。
