婚礼料理の種類と特徴を知っておこう

料理と飲物はゲストに喜んでいただく一番のおもてなしです。しかも披露宴の最重要アイテムであると同時に最大の費用アイテムでもあります。婚礼料理にはどんな種類があって、それぞれどんな特徴があるのか、最新の料理事情を交えながら解説します。
目 次
1.結婚費用の中でダントツに多い「料理・飲物の費用」
2.1人当りの「料理・飲物の費用」
3.料理の種類と特徴
4.料理の提供スタイルと特徴
5.婚礼料理の選び方
6.まとめ
結婚費用の中でダントツに多い「料理・飲物の費用」
料理と飲物は結婚式の中で最も費用がかかるアイテムです。しかもお招きするゲストからすると最も関心が高い上に苦情を招きやすいという最重要アイテムです。筆者が招かれた結婚式で新郎の両親と同席している時、新郎の父である友人が「デザートのアイスクリームが一番美味しかった」とポツンと言ったことがありました。実は筆者も同感で、結婚式や披露宴のことは殆ど覚えていないのに、その食事のまずさだけは記憶に残っています。
良くも悪くも「料理」が披露宴の良し悪しのかなりの部分を占めるのは間違いありません。しかもその料理が結婚式費用の大きな部分を占めるのですからなおさら重要になります。
それでは「料理」にはどれ位の費用がかかっているのでしょうか?
以下に挙式・披露宴の主な項目の費用を示してみます。

上記のように、結婚に関する費用の中でも「挙式・披露宴・パーティの費用」はずば抜けて高額で、さらにその中で「料理+飲物」の費用は群を抜いて多くなっています。
1人当りの料理と飲物の費用について
さらに 1人当りの「料理」の平均費用について見てみましょう。以下に料金帯別の料理費用を掲示いたします。

上の表で見ると全国平均の料理単価は約15,600円となっています。上記の表の中では「14,000円~16,000円」の料金帯が最も多くて全体の25.8%、次に多いのが「16,000円~18,000円」の料金帯で19.8%となっています。但し、九州や四国では「12,000円~14,000円」が主流で、全国的な傾向とは少し違っています。また、北海道の料理単価は約12,900円となっていますが、これも「会費制」が多いことによるものと考えられます。
次に「飲物」の平均費用について掲示いたします。

ご覧のとおり全国の1人当たり飲物費用は約4,100円になっています。最高は首都圏の4,500円、最低は北海道の3,400円ですが、地域によって1人当りの飲物金額は違っても、物価の違いを考えると1人当りの飲む量には大きな違いは無いのかもしれません。
上記の結果を考慮すると料理と飲物を合わせて「料理+飲物」の費用は19,700円となり、約2万円の費用がかかることになります。
(注意)この数字は料理と飲物の平均値を単純に合計したもので、実際の平均値とは若干の誤差があります。ご注意下さい。
料理の種類とそれぞれの特徴
婚礼料理は地域によって異なるところも有り、また調理する料理人の裁量で代わってきますが、大別すると以下のようになります。
フランス料理

出典:岡崎ニューグランドホテル
日本料理

出典:岡崎ニューグランドホテル
和洋折衷料理

出典:岡崎ニューグランドホテル
なお、他にもイタリア料理や中華料理などの婚礼料理がありますが、全体的にはまだ利用する人が少ないので今回は省略いたします。
料理の提供スタイルとそれぞれの特徴
これらの婚礼料理には提供方法がいくつかあります。ゲストの年齢層や結婚式のやり方によって選択するようにしてください。
コース料理

コース料理(和洋折衷料理)
卓盛り料理

卓盛り料理(和洋折衷料理)
出典:Hotel Ole
立食料理
パーティなどでお馴染みの方式ですが、日本ではなかなか立食パーティに出席する機会がないので、見たことはあっても実際に経験した人は少ないかもしれません。この方式では、ゲストは立っていて自由に動き回ることが出来ます。料理は料理テーブルが用意されていますので、そちらから好きなものを選んで取り分けます。立ったまま食べるのでなかなか日本人には馴染まないかも知れません。なお、ゲスト用のいす・テーブルを別途用意して、料理を取ってきて自分のイスに座って食べる形式(シッティングビュッフェ形式)もあります。同じ予算であれば立食が最も品数を多くすることが出来ます。
婚礼料理の選び方
料理の選択
婚礼料理を選ぶ時に最も大切なのは「招待客の年齢層や食べ易さ」を考慮することです。
つまり若い人から年配の人まで幅広い層の口に合うような料理を選びましょう。万一どちらかに偏った嗜好で選ぶと、折角祝っていただいた方に失礼になってしまいます。
もしも、年齢差や嗜好などで開きが大きい場合は「日本料理」又は「和洋折衷料理」を選択すると、概ね受け入れていただくことが出来ます。
注意していただきたいのは「年配者はナイフとフォークの扱いに慣れていない」ということです。年配者の場合は洋食のテーブルマナーにも慣れていない人が多い上、肉を噛み切れないなどの障害もあります。洋食の場合は箸(はし)でも食べられるように細かく切って出してもらうなど、十分な心配りをするようにしましょう。
料理の提供方法
一般的には「コース料理」にして、1人ずつ1皿ずつ提供する方法が無難でしょう。特に年配者の場合や人数が少ない(20名~25名未満)結婚式の場合は、コース料理の難点であった「温かい料理を温かいまま提供できない」という問題点が、人数が少ないことでほぼ解消されるので、美味しい料理を提供することが出来ます。
しかし、親族がいない若者ばかりの結婚パーティの場合や二次会の場合は「卓盛り料理」がお薦めです。みんなでワイワイ言いながら食事を楽しむことが出来るし、何より品数が多くなるので若い人には喜ばれるでしょう。「卓盛り料理」は「温かい料理を温かいままで提供する」という温度管理に優れたやり方ですので、美味しさと品数の多さという点で是非お薦めです。
食物アレルギーへの対応
食物アレルギーのある招待客は、招待状を発送する時点でアレルギーの有無を確認するようにしましょう。今は殆どの結婚式場で食物アレルギーの対応が出来るようになっています。ただし、必ず対応が出来るかどうかの確認をして下さい。もしもアレルギー対応が出来ない場合は式場の選択から外したほうが良いと思われます。
まとめ
- 結婚式の中で「料理」は最も費用がかかると共に、ゲストにとって最も関心が高く、また苦情も招き易い最重要アイテムです。
- 全国平均の「料理」単価は約15,600円。最も多い料金帯は「14,000円~16,000円」となっています。「飲物」の平均単価は約4,100円です。
- 結婚披露宴の料理にはフランス料理、日本料理、中華料理、イタリア料理などがあり、フランス料理と日本料理をミックスした「和洋折衷料理」もあります。
- フランス料理は珍しい高級食材を使うことも多く、特別な高級感があって最も利用されています。
- 日本料理は慣れ親しんだ味付けで、ゲストの年齢層に関わらず安心して提供することが出来ます。
- 「和洋折衷料理」は和食とフレンチをミックスした料理。年配者と若い人にも心配りした内容で、年齢を問わず喜ばれます。
- 1人ずつ1皿ずつ順番に提供されるのが「コース料理」。テーブル毎に全員分を大皿で提供するのが「卓盛り料理」。
- 食物アレルギーへの対応は必須。食物アレルギーへの対応が出来る式場を選びましょう。