親子で考える結婚式お金の話

Kekkonshiki to okane no hanashi

親子で考える

結婚式お金の話

Kekkonshiki to okane no hanashi

HOME | たろうとはなこの結婚準備物語 | 結婚式・披露宴の装花はなぜ高い?

結婚式・披露宴の装花はなぜ高い?

 
mainimage30

披露宴会場を彩る華やかな装花。お目出度い祝いの席に欠かせません。でもなぜこんなに高いの!誰もが思う疑問にお答えします。
 

 目 次

 

  1. 販売ロスを見越して価格設定する装花
  2. 結婚式場の装花が高い理由
  3. 生花は生ものだから予算を決めて花屋さんに相談しよう
  4. まとめ

 


 
はなちゃん・たろうくん

    • こんにちは、GMおじさん。

GMおじさん

    • やあ、いらっしゃい。

はなちゃん

    • この前は衣裳のお話し、ありがとうございました。とっても参考になったわ。

    • 今日は何のお話しを聞かせてくれるんですか?

GMおじさん

    • 今日はね、お花のお話しだよ。メインテーブルやゲストテーブルの美しいお花や新婦が手に持つブーケなどはよく知っているよね。

はなちゃん

    • ええ、披露宴の飾り付けには欠かせないアイテムよね。花嫁にとっては綺麗で可愛いブーケも必須アイテムだわ。

GMおじさん

    • そうだね。でもその花が披露宴になるととても高額で販売されるってことも知っているかい?

はなちゃん

    • ううん、詳しいことはまだよく分からないけど、以前に出席した知人の披露宴ではものすごく豪華な花を見たことがあるわ。

 

販売ロスを見越して価格設定する装花

 
GMおじさん

    • 二人も知っているとおり、生花は水を切らしたり、気温が高いところではすぐにしおれたり、枯れたりしてしまうよね。「花は生もの」という言葉もあるくらい管理が難しいんだ。

    • そんな花だけど、結婚式場ではとても高い金額で販売されているんだよ。どうしてそうなるかを解説してみたいと思います。

    •  
    • まず、花屋さんは花市場に行って販売する花を仕入れてきます。例えばバラを10本仕入れたとして、その仕入価格が1本100円だとします。10本仕入れたから仕入金額は100円×10本=1000円です。花屋さんはその花を1本300円で販売して10本全部が売れたとすると売上は3000円になります。すると全部売れたときの原価率は1000円÷3000円=0.3333(33.3%)ということになり、得られる利益は3000円ー1000円=2000円となります。

    •  
    • でも花は必ずしも全部売れるとは限りません。売れ残ってしおれたらそれは廃棄してしまうしかありません。仮に10本の内2本のバラがしおれてしまって販売できなかったとすると販売できた金額は300円×(10本-2本)=2400円です。原価率は1000円÷2400円=0.4166%(41.6%)となります。

    •  
    • これらのことから花の廃棄ロスを加味して当初の利益を上げるためにはロスを見越して販売価格を上げる必要があります。残った8本の花で当初の売上3000円を達成するためには3000円÷8本=375円、つまり1本375円で販売して、2本の廃棄ロスがでても当初の利益(3000円ー1000円=2000円)を得ることができるのです。

    • 日本の花屋さんの平均的な仕入原価率は30%強で、販売原価率は40%前後といわれています。理由は上に述べた販売ロスによる廃棄が原因になっています。

 

結婚式場の装花が高い理由

 
GMおじさん

    • ここまでは町なかの一般的な花屋さんの話しなんですが、結婚式場の提携花屋さんはまた少し違います。花屋さんがお店では廃棄ロスを加味して375円で販売している花ですが式場で販売するとそれに式場への手数料が加味されます。手数料は一般的に30%ですのでコレを加味すると375円÷(100%-30%)=約535円となります。つまり、式場が535円で花を販売すると手数料30%を引かれて約375円が残り、花屋さんの手元に入ります。

    •  
    • 言葉を変えると、花屋さんが廃棄ロスを加味して設定した金額375円の花を、結婚式場では535円で販売しているということになります。535円÷375円=1.4266(142.6%)です。つまり結婚式場では、市中で販売される花の価格より40%以上も高い花を買っていることになります。式場の装花が高いわけですよね。

    •  
    • なお、花屋さんはどうかというと、式場の手数料が引かれても店頭の販売価格375円が手元に戻ってくるから店頭販売と同じだと考えてはいけません。なぜかというと、元々廃棄ロスを考慮して設定したこの花の販売価格ですが、よく考えてみると廃棄ロスなんかは全く無いんです。

    • つまり、結婚披露宴に使う花は何週間も前から決まっていて、花屋さんは必要な量の花しか、しかも直前にしか仕入をしません。店頭に飾っておくこともありませんし、時間がたってしおれることもありません。つまり廃棄ロスはゼロなんですが、式場には廃棄ロスを加味した375円で販売をするわけです。

    •  
    • その場合の原価率を見てみますと・・・・

    • 原価 100円×10本=1000円

    • 式場の販売価格 535円×10本=5350円(廃棄ロスはゼロ)

    • 花屋の手取金額 375円×10本=3750円(廃棄ロスはゼロ)

    • 花屋の原価率 1000円÷3750円=0.2666(26.6%)

    •  
    • つまり、店頭では33.3%だった原価率が式場で販売すると26.6%に下がるのです。原価率が下がるということは、利益が増えるということです。式場と契約した花屋さんはこうして儲けています。

 
 

生花は生ものだから予算を決めて花屋さんに相談しよう

 
はなちゃん

    • ふ~ん、だから式場の装花は高いのね。でもどうすれば安く出来るのかしら、おじさん。

GMおじさん

    • 実はね、式場の装花を安くする方法は一つしかないんだ。それはね、飾る花を安いものにする、ということだけど、折角の披露宴を地味な野草や花にする人はいないよね。また、他の花屋さんで作った生花を持ち込みしたいと考えても、会場のセッティングが出来るまでの保管場所や運搬などの時間の問題。さらにテーブルへの飾りつけなどを行うのは食器を並べたりする会場サービス係と作業時間がぶつかったりするので式場では大変嫌がるだろうね。こうした事情から装花の持ち込みも難しいんだよ。

はなちゃん

    • ふ~ん。じゃあきらめるしかないのかな、式場から言われるままで・・・

GMおじさん

    • いやいや、極端に節約する方法は無いけど、おじさんの考えではやはり予算を指定して花屋さんにおまかせするほうが良いと思います。おじさんの経験では、花屋さんはやはりプロだから、予算がそれほど高くなくても驚くような工夫をして立派な装花を作ってくれることが多かったよね。

    • だから貴女の希望を式場指定の花屋さんにキチンと伝えて、おまかせしても良いと思います。その時には①予算を伝えて②希望のイメージを伝えて③花の種類などは指定しない、という配慮が必要だよ。

    • 花屋さんはグリーンを多くしてボリュームを増やしたり、花器を工夫して華やかさを演出したり、リボンなどのアレンジで可愛らしさを付加したりして色々と工夫をしてくれると思います。やっぱり花屋さんは誰でも「花のプロ」としての誇りを持っているから披露宴に貧弱な花を飾るのは絶対にしないんだよね。

はなちゃん

    • そうなんだ。それじゃ、ちゃんと予算取りをして、十分に花屋さんと打ち合わせをするようにするわ。わたしもたろうくんも美的センスがイマイチだから、やっぱりプロにお願いするのが一番だわね。

たとうくん

    • うん、そうしよう。

GMおじさん

    • とはいっても少しだけ節約できるちょっとした方法もあるから、次回にそれを紹介することにしようね。

はなちゃん

    • ほんと!じゃ、次回も楽しみにしてきますね。ありがとう、おじさん。

GMおじさん

    • それじゃ、またおいで。さようなら。

 

まとめ

 

  1. 生花は廃棄ロスを加味して価格を設定してある。

  2. 結婚式場で販売する装花には廃棄ロスの他に、式場に払う約30%の手数料が加味されている。

  3. 「花は生もの」。新鮮さを保つため装花は他のアイテムと違って「持込み」が難しい。

  4. 式場指定の花屋さんでもプロだから、予算が少なくても驚くような工夫をしてそれなりに立派な装花を作ってくれる。

  5. 予算をキチンと伝えて、希望のイメージを伝えて、花の種類を指定しないのが花屋さんおまかせのコツです。