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フリードリンクは損か得か?

 
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結婚披露宴の必需品、飲み物は追加費用が発生しやすい項目ですので、事前に良く調べて準備する必要があります。一般的によく採用されるフリードリンクも本当にお得かどうかを良く考えて、ゲストの嗜好に合わせて準備すると、思いがけない費用の出費を抑えて賢く節約することができますよ。
 

 目 次

 

  1. ウェルカムドリンクについて
  2. 飲み放題(フリードリンク)の落とし穴
  3. 飲み物費用の実態について
  4. 出席者に合わせて飲み物の提供方法を変えよう
  5. まとめ

 


 
はなちゃん・たろうくん

    • おじさん、こんにちは。また来ましたよ。今日はおじさんの好きな甘いものを持ってきたからね。

GMおじさん

    • いらっしゃい、たろうくん、はなちゃん。

    • お土産あり、とは嬉しいね。しかも大福餅じゃないか、大好物だよ。ありがとう。

はなちゃん

    • おじさんはお酒を飲まないから甘いものが好きなんだよね。おじさんの妹、つまり私のお母さんも全然お酒は飲まないし、アルコールがだめな家系なのかな。

GMおじさん

    • そうだね。おじさんが小さいころも家にはアルコール類があったことがないな。親兄弟みんな下戸だよね。はなちゃんのお父さんはどうなんだい。

はなちゃん

    • お父さんは晩酌にビールを飲むこともあるけど、お酒に強いわけじゃないみたい。いつも顔を真っ赤にして、ビール1本で「酔っ払った~」なんていってるから。

GMおじさん

    • ははは、それじゃたしなみ程度の酒飲みだね。たろうくんはどうなんだい?

たろうくん

    • 実はぼくもお酒は弱いほうで、グラス一杯のビールで顔が赤くなってしまいます。どちらかと言うとやっぱり甘党ですね。

 

ウェルカムドリンクについて

 
GMおじさん

    • そうか。でも今日はアルコールを含む飲み物の話しなんだ。出来るだけアルコール好きの人のことも考えて話してみようね。

    • さて、婚礼で振舞われる飲み物はいろいろあるんだけど、まずはウェルカムドリンクからだね。ウェルカムドリンクって聞いたことあるかな?

はなちゃん

    • 以前に招待された婚礼で、披露宴の前に振る舞われた飲み物のことかしら?たしか、ホテルのロビーで開場を待っているときにジュースを頂いた記憶があるけど。

GMおじさん

    • その通り。披露宴会場に到着したゲストは受付記帳をした後、披露宴会場に入る前にしばらくロビーなどで待っているよね。その時にサービス係が「いかがですか?」といって持ってくる飲み物をウェルカムドリンクというんだ。

    • 一般的には水割りウィスキー、オレンジジュース、ウーロン茶などが多いんだけど、待っているときのちょっとしたおもてなしとして提供されるんだ。

たろうくん

    • へ~、知らなかったな。でも雰囲気を盛り上げるのにはいいかもしれないね。おじさん、ビールや日本酒は出さないんですか?

GMおじさん

    • いや~、ビールや日本酒をだすと、その場が酒盛りになっちゃうかもね。披露宴が始まるまえからそれはヤバイでしょう。

はなちゃん

    • ほんと!!とんでもないわ!

 

飲み放題(フリードリンク)の落とし穴

 
GMおじさん

    • さて、披露宴の飲み物についてだけど、特にこの飲み物を出さなければいけないとか、この飲み物は止めておいたほうがよいというのはないけど、注意して欲しいのは飲み物は追加料金が発生しやすいということなんだ。

はなちゃん

    • どうしてなの、おじさん。

Gmおじさん

    • 最初に飲み物の見積りを行うときに、式場としては少し安く提示することが多いんだ。例えば、ビールは一人あたり2本、ジュースは一人あたり1本とか、ちょっと少なめに見積もる傾向があるんだ。そうして、実際の披露宴ではかなりの割合でその見積りをオーバーしてしまうんだね。以下にデータがあるから見てみようか。

 

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たろうくん
    • 飲み物はフリードリンクにしてしまえば、どんなに飲んでも追加は発生しないと思うんだけど、どうして追加が発生するんだろう。

GMおじさん

    • そこにちょっとした落とし穴があるんだ。フリードリンクというのはいわゆる「飲み放題」と思っている人が多いけど、誤解している人も多いんだよ。フリードリンクというのは定められた飲み物は飲み放題ということなんだ。言い換えると、定められていない飲み物は全て追加飲料になってしまうってことなんだよ。

はなちゃん

    • よく分からないな。

GMおじさん

    • 例えば、フリードリンクのビールはアサヒのスーパードライ、ウィスキーは〇〇、ジュ-スはオレンジとグレープ・・・などと最初に決めていたとするよ。でも、ゲストが「私はワインが飲みたい」と言ったらリクエストに応えて出すしかないよね。お酒の種類は無限にあるし、ゲストの好みも無限にあるから全てをフリードリンクに含むことは出来ない。しかも目出度い祝いの宴席でゲストの飲みたい酒を断ることは出来ない。となると追加料金を払って対応するしかないよね。

はなちゃん

    • なるほど、そういうことなのね。難しいのね。

GMおじさん

    • フリードリンクだからといってどんなお酒でも飲めるわけじゃないんだ。フリードリンクに高級な酒や飲み物が含まれると、フリードリンクの価格はその度に上っていくし、その上で追加の酒が出てくると別途で追加料金が発生するというわけだね。

はなちゃん

    • どうしたらいいのかしら、おじさん。

 

飲み物費用の実態について

 
GMおじさん

    • 実際の婚礼で飲み物費用がどれくらいかかっているのか、下の表で見てごらん。

 

表47

 
GMおじさん

    • ご覧のとおり、全国平均で4100円位、料金帯では3000円~4000円(首都圏・東海・関西では4000円~6000円)が多いよね。もちろん、首都圏などの大都市では物価も地方と比べて高いから当然だけど・・・。

    • フリードリンクはいい点も有るから、その特性を知って上手に利用することだね。

    • 例えばゲストのうち40名が男性、20名が女性の場合で考えてみよう。男性は全員がアルコールを飲むとして、女性は全員がアルコールではなくてジュース類のノンアルコールを飲むとしてみよう。男性が一人あたり中瓶ビールを3本、女性は一人あたりジュースを2本飲むとすると、飲み物費用は以下のようになるよね。(ゲストの人数は男性40名、女性20名とします)

    • 男性・・・ビール単価 500円×40名×3本=60,000円

    • 女性・・・ジュース単価 350円×20名×2本=14,000円

    • 合計金額 74,000円

    • 一人平均 74,000円÷60名=1,233円

    • 数値を変えて、中瓶ビールを一人5本飲むとすると、合計金額は114,000円、一人平均 1,900円になる。

    • これにウィスキーのボトル2本(1本あたり8,000円)を追加すると、合計金額は130,000円、一人平均 2,166円になる。

    • 60名(男性40名、女性20名)のゲストで、中瓶ビールを200本、ウィスキーをボトル2本、ジュース40本、を飲むとすると一人当りの飲料費は2,166円ということになるよね。それでフリードリンクの場合は一人当たり3,000円~5,000円くらいかかることになるんだ。

    • もちろんお酒の銘柄が高級酒だったり、ワインやシャンパンなどの高級酒が入ったフリードリンクの場合は別だけど、一般的なビール、ウィスキー、ソフトドリンクで考えると上記の様になる。いかがかな、お二人さん。

たろうくん

    • 一人ビール5本は飲めないかもしれないな。ウィスキーボトル2本というと、水割りで45杯~50杯位あるよね。全体で、結構なアルコール量だと思うけど・・・

はなちゃん

    • それにジュース2本もきついかもね。

    • それじゃ、おじさん。フリードリンクは割高ってことなのかしら。

GMおじさん

    • お酒をたくさん飲む人の割合が高い宴会の場合はお得だけど、アルコールが飲めない人が多い宴会の場合はフリードリンクは割高になってしまうね。

    • 実はおじさんが現役のホテルマンのころ、地域で初めてフリードリンク(飲み放題)を導入したんだ。そのときは周りのスタッフが「絶対に損するからやめた方がいい」とか「飲み放題だったら浴びるほど飲んでしまう」と言われて総反対にあったんだ。でも実際にフリードリンクの宴会のデータを収集してみると、なんと飲み物の原価率はフリードリンクの宴会の方が、そうじゃない宴会の場合より下がっていた。つまり、ホテルにとっては利益が増えたということがわかったんだ。

たろうくん

    • それって超意外!

GMおじさん

    • だけど、一度消防団の宴会があって、原価率が上って赤字になったことがあったね。そのときは出席者のほぼ全員が大酒飲みで、ビールをジョッキで平均10杯以上飲まれてしまった。そういうこともあるから客層にもよるんだけどね。

 

出席者に合わせて飲み物の提供方法を変えよう

 
はなちゃん

    • うちの場合はお父さんやお母さんの他にも、おじさんやおばさんなど殆どの人がお酒に弱いから、フリードリンクじゃないほうがお得だわね。

たろうくん

    • うちも家族や親戚は余りお酒を飲まないから、フリードリンクだと損をするみたいだね。逆に、趣味でやってるサッカー同好会は酒飲みが多いからフリードリンクでもいいかもしれないな。どれだけ飲むか分からないけど。

GMおじさん

    • そうだね。出席してくださるゲストのことを十分考えて選択すればいいと思うよ。

      あとフリードリンクではなくて実数精算の場合は最初に予算を決めておくといいけどね。例えば出席者50人の場合で飲み物予算を総額15万円(一人当たり3,000円)と決めておくと仮定して、限度額を超えそうなときは式場の担当から連絡してもらうようにしておくと、状況をみてその場で予算をあと3万円追加するとかいうことも出来るから。

    • とにかくフリードリンクが万能ではないってことだね。

はなちゃん

    • ありがとう、おじさん。飲み物でも賢い節約が出来そうだわ。ね、たろうくん。

たろうくん

    • そうだね。ぼくも友達の好みの酒とかを聞いてみることにするよ。特殊で高価なお酒があるなら、前もって心と財布の準備がいるからね。

はなちゃん・たろうくん

    • おじさん、とっても役に立ったわ。また来るから今度もよろしくね。

 

まとめ

 

  1. ウェルカムドリンクは披露宴の前に振る舞われる飲み物。

  2. 飲み物は追加料金が発生しやすいアイテムです。

  3. ゲストが望む酒は基本的に断れないが、事前に「ドリンクメニュー」を提示しておくことで抑止出来る。

  4. フリードリンクとは事前に定められた飲み物だけが飲み放題。事前に定められていない飲み物はフリードリンクの場合でも追加料金になる。

  5. フリードリンクはお酒をたくさん飲む人の割合が高い宴会ではお得。アルコールが飲めない人が多い場合は割高になる。客層によって判断する。