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客層や年齢層に合わせて料理を選択する

 
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コース料理、卓盛り料理、立食料理など、婚礼料理の提供スタイルはいくつか有りますが、費用も節約できてしかも美味しい料理が提供されるのはどれでしょう?ゲストの年齢や好みに合わせたスタイルを選ぶことで、婚礼料理を美味しいと喜んでもらうことが出来ます。料理提供のスタイルで決まる美味しい料理の選び方について元ホテル総支配人のGMおじさんが解説します。
 

 目 次

 

  1. コース料理と卓盛り料理、立食料理の長所・短所
  2. シッティングビュッフェについて
  3. 客層や年齢層で披露宴の料理を変えるという選択
  4. まとめ

 


 
たろうくん・はなちゃん

    • おじさん、こんにちは。今日もお話し聞かせてください。 

GMおじさん 

    • いらっしゃい、たろうくん、はなちゃん。この前は「美味しい料理は何で決まる?」について話したけど、前回の話を覚えているかい?

はなちゃん

    • はい、前回の話では、料理の必須条件は原材料だけではなくて、温度管理で決まるということでしたよね。つまり「温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく」して提供する・・・ね。

 

コース料理と卓盛り料理、立食料理の長所・短所

 
GMおじさん

    • そうそう、ちゃんと覚えているね。それに、大人数の婚礼料理をコース料理で提供する場合は温度管理が難しい、ということも話したよね。

    • ところが実際の披露宴では提供される95%以上がコース料理なんだ。もちろんコース料理をちゃんとした温度管理で提供している式場もあるんだけど、温度管理の出来ていない料理を平気で出すところもあるから要注意だね。

たろうくん

    • 温かい料理を温かく出してくれる方法は無いんでしょうか?

GMおじさん

    • 料理の提供方法を変えると問題を解決できると思うよ。おすすめするのは卓盛り方式という方法なんだけど、卓盛り方式は、婚礼料理の内容と提供スタイルの章で話したよね。

はなちゃん

    • 覚えてるわ。

    • 真ん中にラウンドテーブルをおいた、いわゆる「中華料理方式」ね。

GMおじさん

    • そうそう、良く覚えてるね。

    • 一般的に宴会厨房で調理する時は一度に大きなフライパンで7~8人分の材料を入れて調理するんだけど、コース料理の場合は出来上がった料理をフライパンから一皿ずつに小分けして盛り付けるよね。ところが卓盛り料理はこの「小分け」をしないんだ。出来上がった料理はそのまま大皿に盛り付ける。するとそこでゲストに提供するまでの時間が短くなるよね。その上大皿に盛ることでさらに冷えにくくなるから、ゲストの元に運ばれるときもまだ十分に温かい状態が保たれているんだ。料理によってはホットプレートを使ったり、湯煎を使ったりもして保温することもあるんだ。

    • 大皿に盛られた料理はゲストが自分で好きなだけ取り分けるか、サービス員が取り分けてくれることになるね。

たろうくん

    • 大皿で提供すると料理の品数が少なくなるんじゃないですかね。

GMおじさん

    • その点は大丈夫だよ。卓盛り料理の場合はコース料理よりも2~5種類も品数が増えるのが一般的なんだ。しかも「洋食」だけではなく「和食」や「中華」などの料理が追加されることも有るので、まさに「食べることを楽しめる」料理と言うことが出来ると思うよ。料理の提供方法の特徴を以下の表にまとめているから見てごらん。

 
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GMおじさん

    • 上の表のとおり、卓盛り料理の品数はコース料理より多くなるケースが多いんだ。卓盛り料理は一種の宴会料理で、立食と同じように厳密な食数計算に基づいてメニューを作るけど、全体で食べる料理のボリュームはコース料理とほぼ変らない。つまり全部の料理を食べた時にお腹がいっぱいになるように計算されて調理されるんだよ。

    • そして料理内容によっては、卓盛り方式でも大皿でなく一人前で提供される料理もあるよ。例えばデザートなどはケンカしないように一人ずつ提供されるよね。

 

卓盛り料理の一例(冷製と温製の料理が有ります)
※ホテルグランヴィア大阪(価格:7200円/税込)
 
(冷製料理)
サーモンとカブラの柚子風味
甘エビとセロリのマリネ
鴨とフォアグラのテリーヌ
寒鰤の炙りと野菜のマスタード風味
カクテルサンドイッチ
 
(温製料理)
飲茶
ソーセージとベーコンのシュークルート
若鶏のロースト ジェノバ風
鱈のオリーブ焼き ノワゼットバター香るフォンドヴォーソース
オーストラリア産牛肉のグリエ 胡麻ダレ
小海老と卵・グリーンピースのタイ風炒飯 バジル風味
 
(デザート)
フルーツ
ソルベ
コーヒー

 

シッティングビュッフェについて

 
GMおじさん

    • あとはシッティングビュッフェという方式もあるんだけど・・・

はなちゃん

    • なにそれ?

GMおじさん

    • やはり婚礼料理の内容と提供スタイルの章で話したけど、立食というのは、ゲストが椅子に座らず立った状態で料理を食べるというのは分かるよね?

    • シッティングビュッフェという方式は余り経験したことが無いと思うけど、立食方式と卓盛り方式のミックスといったところかな。つまり、ゲストは卓盛り方式のように椅子にすわっているんだけど、料理は立食のように別の料理テーブルにおいてある。ゲストは立ち上がって料理テーブルから好きな料理を取ってきて、自分の席の椅子に座って食べる。料理が無くなったらまた、立ち上がって料理を取りに行く、という繰り返し。

はなちゃん

    • これは結構大変そう・・・。

GMおじさん

    • そうだね。披露宴でゲストをもてなすにはふさわしくないね。

    • でも卓盛り方式はゲストがいちいち立ち上がらなくてもいいから、お奨めだと思うよ。

はなちゃん

    • 私も、温度管理が完璧で美味しい料理を召し上がってもらえるから、ゲストは喜んでくれると思うけど、なにぶん余り経験したことがないから、そこがちょっと心配だわ。 

 

客層、年齢層で披露宴の料理を変えるという選択

 
GMおじさん

    • 気持ちはよく分かるよ。

    • だから客層や年齢層によって良く考えたほうがいいと思う。

    • 例えば会社関係や友人関係のゲストで、あまり遠慮が要らない人たちだったら、美味しい料理を食べることが出来て満足してもらえるんじゃないかな。おじさんの経験では10000円の卓盛り料理は12000円以上のコース料理より満足度はもっと高いんじゃないかと思うけど。

    • 慣れてないから最初はみなさんが遠慮して料理を取るのをためらったりするけど、料理を持ってくる会場のサービス係が取り分けてくれるから、直ぐになれてゲストも遠慮しないで自分で取りに行くようになるはずだ。おじさんの経験では殆どの卓盛り料理でそうだったから。

たろうくん

    • そうだね。中華料理のときも最初はみんな遠慮して手を出さないけど、その内に当たり前のようにワイワイ言いながら料理を自分で取ってるよね。

    • なにより、自分で食べたい分だけ取り分けるのがいいよね。最後に大皿に残った分はジャンケンで取り合ったりして・・・

はなちゃん

    • 子どもじゃ無いんだから。ほんとにも~。

GMおじさん

    • ははは。とにかく、若い人や仲良しのグループには受けると思うけどね。

    • 逆に親戚のゲストは年配者も多いけど、それでも20名くらいだし、こちらは一人ずつ提供されるコース料理がいいかもしれないね。20名くらいの少人数なら、コース料理でも温度管理をしながら十分に温かい料理を温かく提供できると思うよ。特に和食の場合は保温できる蓋付きの器が多いし、卓上コンロなどの機材もあるから。

はなちゃん

    • え!

    • と言うことは、親戚は和食のコース料理で、友人は卓盛り料理を提供するってことなの!

GMおじさん

    • いやいや、同じ会場でコース料理と卓盛り料理を提供するのは無理がある。出来ないことはないかもしれないけど、やってくれる会場はまずないでしょう。

はなちゃん

    • それならどうすればいいの!会場を別々にするしかないわよね!

    • ちょっと無理だわ。

たろうくん

    • ちょっと待って、名案がある。

    • 親戚とそれ以外のゲストの披露宴会場と日程を変えれば、簡単じゃないか。

    • 親戚は和食の提供できるレストランかホテルで、それ以外のゲストは宴会場で披露宴をするんだ。親族は両家合わせて20名くらいだし、他のゲストは会社関係と友人で40名~50名くらいだから卓盛り方式でやれるよ。

はなちゃん

    • それって披露宴を2回するってこと。大丈夫かな?

たろうくん

    • 大丈夫だよ。僕の友人はサッカー同好会のメンバーが多いから、食べることには眼がないやつが多いんだ。美味しい料理と美味しいお酒があれば絶対喜んでくれると思う。

    • 会社の同僚も若い連中が多いから、こちらも喜んでくれると思うよ。

はなちゃん

    • そう言われると私の友人も職場の同僚も結構グルメで、不味い料理を出したら影でなんていわれるか分からないかも・・・。

たろうくん

    • それに、親戚がいない披露宴だとみんな気の置けない人ばかりだから、絶対盛り上がると思う。

    • 親戚は親戚で、うるさい若い者がいないから、落ち着いて食事を楽しんでもらえるかもしれないよ。

はなちゃん

    • う~ん。ちょっと考えてもいいかもね。

    • GMおじさん、少し検討してみます。

GMおじさん

    • はい、はい。ゆっくり2人で考えてみてごらん。

    • 大切なのは「お世話になった人やこれからもお世話になるひとに、心を込めたおもてなしをするにはどうすればいいか」だからね。

はなちゃん・たろうくん

    • ありがとう、おじさん。また来るので次回もよろしくね。バイバイ。

 

まとめ

 

  1. 宴会(婚礼)料理の提供スタイルには「コース料理」「卓盛り料理」「立食料理」がある。

  2. 大人数の会食の場合、コース料理では温かい料理を温かい状態で提供することはかなり難しい。

  3. 卓盛り料理(いわゆる中華料理方式)の場合は温度管理が容易なので温かい料理を提供することができる。

  4. 家族婚や少人数の披露宴では人数が少ないため、コース料理でも適切な温度管理は可能。

  5. 会社関係や友人関係などの大人数の披露宴の場合は「卓盛り方式」を推奨します。

  6. 披露宴の出席者に合わせ、日程・場所を変えて2回に分けて披露宴を行うことも検討すべき。