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初期見積りと最終費用の違い

 
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結婚式・披露宴の費用見積書はあくまで参考程度に考えている人も多いでしょう。しかし、初期見積りと最終費用では100万円以上も差が出てくることも少なくありません。なぜこんなに大きな違いが出てくるのでしょうか? 後であわてないためにも婚礼見積書の見方を学んで、婚礼費用を賢く節約するようにしましょう。
 

 目 次

 

  1. 婚礼の初期見積書の一例と問題点
  2. 初期見積りで安心すると、その後大幅に費用が増える可能性が大きい。
  3. 見積書を見た元ホテル総支配人の解説
  4. 見積りの差(費用のアップ)の原因と対策は・・・!
  5. まとめ

 


 
たろうくん・はなちゃん

    • GMおじさん、こんにちは。今日から色々教えて下さいね。

    • ところで今日は何のお話しですか?

GMおじさん

    • 花ちゃんとたろうくん、いらっしゃい。

    • 今日から始まるけど楽しみながら勉強しようね。まずは婚礼費用の見積書を見てみようか。

    • いきなりお金の話し!って思うかも知れないけど、見積書の内容が読めるようになると、これからの結婚準備に何が必要かということがハッキリ分かってくるから是非見てほしいんだ。

 

婚礼の初期見積書の一例と問題点 

 
はなちゃん

    • いきなり見積書の話しはちょっとビックリだけど・・・。でも専門家のおじさんの話だからきっと大事なことなのね。

GMおじさん

    • やっぱりはなちゃんは賢いね。それじゃ下の表(見積書)を見てごらん。

    • これはあるカップルが式場見学の時に実際にもらった初期見積りと挙式直前の最終見積りを比較したものなんだけど・・・・見やすいように項目を左右に揃えて、追加された項目や料金がアップした項目には色を付けたものだよ。

    • さあ、この見積書を見てなにか気付くことは無いかい。

はなちゃん

    • う~ん。

    • えっ!何これ。初期見積りと最終見積りの差が「172万円」もある!

たろうくん

    • えっ!本当だ。何だ、コレは! 

 
表35

 

初期見積りで安心すると、その後大幅に費用が増える可能性が大きい!

 
GMおじさん

    • 披露宴の人数は60名だから、最初の見積りでは一人当たり39,400円くらい。でも最終見積りでは一人当たり約68,000円だから約28,600円アップ。総額では172万円も上っているね。

    • ※ 初期見積り  総額 2,365,000円÷60名=39,416円

    • ※ 最終見積り  総額 4,085,400円÷60名=68,090円

    •  

はなちゃん

    • おじさん!

    • これって特殊なケースなの?それとも誰でもが経験すること?

GMおじさん

    • これは特殊なことではなくて、一般的な式場では必ず起きることなんだよ。しかもこの見積書には「演出」の項目が何も無いから、実際はもう少し金額が増えていると思うね。(著者注:理由は不明ですが、演出費用が含まれていませんでした)

はなちゃん

    • こんなに増えるのが本当なら怖くて式場見学なんてできないわ。たろうくん、こんなに大きな費用を払える?

たろうくん

    • はなちゃん、無理でしょう・・・・無理です!

GMおじさん

    • まあ、実際はご祝儀をいただくから全額を君たちが負担するわけじゃないけどね。それにしても、問題は結婚式の費用をあんまり甘く見ておくと、後で必ず後悔するということを最初に話しておきたかったんだ。ビックリさせてごめんね。

はなちゃん

    • ううん、甘い夢を見てたのにいきなりたたき起こされたみたいでショックだけど、コレが現実なのよね。でも、これからどうすればいいのかしら。

GMおじさん

    • それはこれからお話ししていくから心配しないで。賢い二人ならきっと納得できる披露宴を納得できる費用で出来ると思うよ。

    • それじゃまず見積書に注目してみようか。

 

見積書を見た元ホテル総支配人の解説

 

 GMおじさん
    • まずこの披露宴の概要を見てみよう。

    • 出席人数は60名で全国的な平均出席人数に近い人数だね。それと、この式場では基本プランというのをベースにしているようだね。基本プランの内容は以下のとおり。

      • 人数 30名まで

      • 基本プランに含まれる項目は・・・料理・飲み物・披露宴会場費・新郎新婦控室料・待合室・メイン装花・ゲスト装花・親族集合写真・音響照明費・招待状と席札・サービス料、という項目だけど料理の金額や内容、飲み物の金額・内容、各室料の内訳などは分からないね。

      • それと、出席人数とプランに含まれる人数の差(60名-30名)30名はプラン追加として一人当たり18,000円が追加されているということだね。

      • あと、基本プランには「衣裳」が入っていないから、衣裳と美容着付けの費用が追加されるし、ブーケや記念写真、司会者と引き出物がパックに追加されているね。

    • これらの条件を加味したのが「初期見積り」となっているから、初期見積りは本当に最低限の費用というところかな。

はなちゃん
    • でも「料理・飲み物・披露宴会場費・新郎新婦控室料・待合室・メイン装花・ゲスト装花・親族集合写真・音響照明費・招待状と席札」の30名分で80万円って高くないかな?だって、この中で「料理・飲み物」と「ゲスト装花」「招待状と席札」の3項目(以下、個人項目といいます)は出席人数によって変るけど、それ以外の項目は人数が増えても変らないわ。それなのに「人数追加」で一人当たり18,000円かかるのよ。

    • これだと「個人項目」で18,000円ということでしょう。しかも、料理のランクアップで一人当たり8000円が追加されているわ。つまり「個人項目」では26,000円(18,000円+8,000円)かかっていることになるけど、その中で「招待状と席札」ではせいぜい7~800円だし、ゲスト装花も1テーブル(6人掛け)で6,000円だとして、一人当たり1,000円。差し引きすると、26,000円-800円-1,000円=24,200円が「料理と飲み物」になってしまう。こんなに高い料理と飲み物ってどんなの・・・・!

 

    •  
    • (著者注:全国的な飲物の平均は一人当たり4,100円、首都圏でも一人当たり4,500円です。この場合は飲物を差し引いた料理単価が約20,000円と言うことになります。つまり初期見積りでは約12,000円の料理だったのに8,000円ランクアップして20,000円の料理になったということです。)

 
GMおじさん

    • 良く気がついたね。それに見方を変えると、一人当たり追加料金が18,000円だとして、最初の「基本プラン」の人数が30名だから、18,000円×30名=540,000円が個人項目の費用ということになる。

    • 残りの26万円(80万円-54万円)が人数に関係ないその他の費用、つまり各会場費・メイン装花・集合写真・音響照明費ということになるね。

 はなちゃん

    • それに「衣裳」の項目でも、基本プランではドレス1点+タキシード1点で50万円なのに、ドレスランクアップで12万円も追加されている。しかも、カラードレスを追加して18万円のアップ。衣裳だけで50万円+12万円+18万円=80万円もするのよ!特別値引きで25万円引いてあるけど、それでも差し引き55万円(ドレス2着、タキシード1着)もしてる。

たろうくん

    • タキシードは普通5万円もすれば借りられるから、結局ドレス2着で50万円ということか!

GMおじさん

    • そうだね。それに衣裳とペアの「美容・着付け」の項目も18万円かかっているね。(実際は値引きがあるので18万円-4万5千円=13万5千円)そもそも、ドレス1着とタキシードで50万円なんてあるだろうか。タキシードの価格を引くとドレスだけで約45万円だよ。しかも、ドレスをさらにランクアップしているよね。

はなちゃん

    • そうよね。ランクアップしないといけないようなドレスで45万円だなんて!値引きが無かったら最悪でしょう。

たろうくん

    • 値引きは「本日ご成約に限り50%OFF」と書いてあるから、その日に予約しなかったら超高いものになってしまう。これって少しおかしくない?

    • それに、ランクアップは衣裳だけじゃないよ。装花のランクアップもあるし、引き出物のランクアップもある。スナップ撮影やビデオ撮影も、この金額が相場だとしたらすごく高いよね。

GMおじさん

    • 二人ともちゃんと見ているね。司会者の金額も10万円なんて金額は、ひと昔前だと局アナ(放送局のアナウンサー)なみの金額だよね。席次表も1部で1,050円だけど、ビックリするほど高いよね。(注:GMおじさんは招待状や席次表などの印刷業をしています)

はなちゃん

    • おじさん、なんでこうなっちゃうんだろう。これじゃ、まるでボッタクリだわ。

 

見積りの差(費用のアップ)の原因と対策は・・・!

 
GMおじさん

    • こんなに初期見積りと最終見積りの差が出来てしまうのには、幾つかの理由があるんだ。決してボッタクリではないんだけど式場側の姿勢には問題があるよね。でも、新郎新婦の方も考えなければいけないことも多いんだよ。

GMおじさん

    • これらの見積りの差(費用のアップ)がでてくる理由は次のとおり。

      • 最初に他の式場の見積りよりも高い初期見積りをだすと、他の式場に契約を取られてしまうかもしれない。だから料理も最低のランクにして、その他の項目も最低限にして初期見積りの金額が下がるようにしている、ということ。

      • 新郎新婦にはまだハッキリとした披露宴のイメージが出来ていないから、必要な項目やそのグレードが分からない。そのため当たり障りのない項目と最低限度のランクで初期見積りを作成する。

      • 契約をしてしまえば、ランクアップや追加項目で全体金額を引き上げるのがプランナーの大事な使命になっている。まずは契約に結びつけることが最重要事項なのです。

 はなちゃん

    • このままじゃ、披露宴なんて出来ないわ。なんとかいい方法は無いのかしら、おじさん!教えて、お願い!

GMおじさん

    • 大丈夫だよ、心配しないでも。これから色々お話することを参考にして選択肢を広げるんだ。広げた選択肢の中から二人で話し合って選んでいけば、納得する費用できっと素敵な披露宴ができるから。

たろうくん・はなちゃん

    • お願いします!

GMおじさん

    • それじゃ、今後は具体的なやり方についてアドバイスするから、いろいろと一緒に考えてみようね。今日はこれまで、だよ。

たろうくん・はなちゃん

    • 分かった。今日の話を聞いてしっかり勉強する気になりました。次回も宜しくね、GMおじさん。

GMおじさん

    • はい、又おいで。さようなら。

 

まとめ

 

  1. 初期見積りと最終見積りでは100万円以上の差が出ることもある。

  2. 初期見積りの時点では新郎新婦にはまだ結婚についての知識や具体的なイメージが出来ていないことが多い。

  3. 特に希望を述べないと初期見積りは当たり障りの無い項目と最低限度のランクで作成される。

  4. 初期見積りからグレードやランクをアップさせて売上を増やすのが式場プランナーの職務です。

  5. 初期見積りだけで式場契約すると、後で後悔することが多い。